一寸先は闇

このことわざを痛感するような出来事が最近ありました。


前回書いた餌トラブルの続編になる感じですが、実は例のトラブルが起きた時にモー娘たちの乳量が減っただけではなく、牛乳中の乳成分も変わってしまったらしく、なんとUCCカフェから苦情がきてしまったのです。

UCC側 「先日配達してもらった牛乳が泡立たないのですが、一体どういうことなのでしょうか?」

UCCカフェではうちの牛乳をカフェラテ、カフェモカカプチーノに使ってくれているのですが、機械にかけても牛乳がうまく泡立たないというのです。


そのときは完全にモー娘たちが餌を食べなかった時期と被っていたため、事情を説明し謝罪。何とか事なきを得ました。



新しい餌が届き、モー娘たちも再び餌を食べ始めたのでこのままこの問題は終わると思っていました。

しかし数週間後、また同様の苦情がきたのです。
1.牛乳が機械にかけてもうまく泡立たない、もしくは非常に泡立ちにくい
2.一旦泡立ってもすぐに泡が消えてしまい、残らない
3.泡立たない牛乳は普段のものに比べて水っぽい気がする


その苦情がきたときには、モー娘たちもきちんと餌を食べていたのでさっぱり原因がわかりませんでした。
しかし検討を重ねた結果、どうやら牛乳中の脂肪分が足りていないのではないかという結論に至りました。
普通に飲む分には全く問題ないのですが、カフェラテ用のスチームミルクを作るために牛乳を機械で泡立てるにはある程度の乳脂肪分が必要になってくるようなのです。



そして今回の問題の原因になったのは配合飼料ではなく、どうやら草だったようです。
乾期中は雨が少ないため、草の水分含量が低いのですが、雨期が始まり水分含量の高い草を食べたモー娘たち。当然水分含量の高い草の方が美味しいので沢山食べ、それに伴い乳量も増えるのですが、今度は乳成分(特に乳蛋白・乳脂肪)が低くなるのです。簡単に言うと、牛乳が薄まるわけです。



そして、同じトラブルが数回立て続けに起こってしまい、「これではカフェで使えない」ということで、なんと取引を一旦停止することになってしまいました・・・。



正直、「牛乳が泡立たない」という問題が起こるなんて予想もしていなかったうえ、取引停止という最悪の事態になってしまったことにかなり落ち込みました。


悟空妻 「始めてから今まで休みもなくやってきて、やっとここまできたと思ったのに・・・もう駄目だよ・・・TT」

涙ながらに弱音を吐いた悟空妻に、お釈迦夫の喝が入りました。

お釈迦夫 「何言ってるんだよ。飯作り以外、家事全般メイドにやってもらって、子育ても手伝ってもらって、そんな生活に慣れきった悟空妻が今更日本に帰って、日本の主婦がやっているような生活を送れるわけがないだろ。だったらもうこっちで死ぬ覚悟でやれよ!!


 ̄口 ̄;死ヌ覚悟ッテ、アンタ・・・


かなりスパルタな感じもしますが、お釈迦夫の真剣ぶりが伝わるこの言葉に少しだけかつてのやる気を取り戻した悟空妻。



UCC側から「これで終わりというわけではない。安定したらまた使いたいから持ってきてほしい。」と言われていたこともあり、取引再開に向けての計画を練りました。


まず、泡立ったり泡立たなかったりするということは、乳脂肪分が足りないとはいえ、「わずかの差」だということ。それを見た目や味で判断することは非常に困難なので、牛乳中の乳成分を測る機械を買うことに決めました。
次にその機械を使って、①現在のうちの牛乳の脂肪分がどれくらいなのかを把握する ②脂肪分が一体何パーセント以上あれば牛乳が泡立ち、何パーセント以下だと泡立たなくなるのかUCC側とテストをする ③お互いの合意のもとに乳成分の基準を設け、うちはその基準を満たすように飼養管理をしていくが、万一その基準に満たなかった場合、その牛乳は出荷しない―。


この計画をUCC側に提示したところ、「喜んでテストしますので、いつでも連絡してください」という好意的な回答がきました。

こうなったら後は、一日でも早く取引を再開できるよう頑張るのみです!




こっちで酪農を始めてから早2年。
始める前は簡単に考えていたことがすごく難しかったり、今回みたいに予想もしていなかったことが起こったり・・・本当にやらなければわからなかったことが沢山沢山ありました。

くじけそうになったり、泣きたくなったり、投げ出したくなったことも何回もありましたが、その度に2人で力を合わせて乗り越えてきました(←というか、そもそも2人じゃなければ酪農自体始めていなかったけど。)。 そして乗り越える度に、その先が見え、私達はまた一つ上へ上ったのだと実感することができました。



今回のことも、必ず乗り越えてみせます。
この先の未来のために!!!!