餌トラブル

「授乳時は赤ちゃんの目を見て、話しかけながらミルクをあげるようにしましょう(by育児本)」
こんなことを言われても、0歳児相手に一体何をどう語りかけてよいものやらイマイチわからず、日々の愚痴しかでてこない悟空妻です。ごめんね、チビお釈迦(笑)



さて、今日は先日うちの牧場で起こった餌のトラブルについて書きたいと思います。いつも何かしら起こり、平穏な日々というのはなかなかやって来ないものです・・・。


ある日のことです。

お釈迦夫 「モー娘達の餌食いがすごい悪いんだけど、おからかコーンが原因かな?」

うちは配合飼料をモー娘達にあげるときに、おからとコーンも混ぜて一緒にあげているのですが、こちらで事業をされている方ならお分かり頂けると思いますが、それらの品質がいつも同じというわけにはなかなかいきません。ものすごく良いときもあれば、「何だこれ?!」と言いたくなるようなときもあるわけです。

お釈迦夫はそのおからかコーンの品質が悪かったために、モー娘たちの餌を食べる量が少なくなったのではないかと言ってきたのです。

そこで最初にコーンを抜いてあげることに・・・

お釈迦夫 「まだ食わない。おかしいな」

次におからを抜いてあげることに・・・

お釈迦夫 「やっぱり食わない・・・まさか、配合か??」



以前の日記にも書いた通り(http://d.hatena.ne.jp/cowple/20111006/1317877867, http://d.hatena.ne.jp/cowple/20111112/1321077178)、うちはGromax(グロマックス)という会社から配合飼料を買っており、そこは結構大きな餌会社の子会社で、ここフィリピンの餌会社の中でもわりとしっかりしているほうです。


まさかと思いつつ、配合飼料だけをやってみることに・・・

お釈迦夫 「食わない・・・原因は配合みたいだ」


ただちに餌会社にコンタクトをとると、いつもうちの牧場にくる担当のセールスマンのほかに数名の製造担当者も一緒にやってきて、問題の餌のサンプルを持ち帰っていきました。

餌会社スタッフ 「分析の結果、特に問題はありませんでした。また、ほかの牧場ではこのような問題は起こっていません」


まるで私たちがただイチャモンつけているだけみたいな言いっぷりでしたが、その後届いた新しい餌をあげると、モー娘たちはみんなそれまで食べなかったのが嘘みたいにバクバク配合を食べ始めました。
食べなかった問題の配合もまだ取ってあったので、並べてあげてみても、やっぱり新しいほうの餌しか食べず、問題の餌にはもはや誰も口をつけません。


「うちの牛がどれだけ問題の配合を食べないか見せてやるから、餌やりの時間にもう一回来い!!」ということで担当セールスマンを再度呼び出しました。


担当セールスマン 「今日は餌やりの様子を携帯で動画撮影します。」


どうぞどうぞということで、お釈迦夫が問題の配合と新しく届いたほうの配合を並べてあげると、新しく届いた配合の方にばかり殺到するモー娘たち。

担当セールスマン 「・・・。この問題の餌の代金は要りません。この動画を上司に見せます。それでも納得してもらえなければここへ連れてきて見せてもいい。」

お釈迦夫・悟空妻 「どうしてこういうことが起こったのか、再発防止のためにきちんと原因を究明してください。」



その後、再度問題の餌の分析を行ったということで、担当セールスマンと分析担当者が分析結果を携えてやってきました。

分析担当者 「分析の結果、すべての項目でうちの規定水準を満たしており、特に大きな問題は見受けられませんでした。」

担当セールスマン 「製造担当者にも聞きましたが、特に何も変えていないということでした。しかしあの動画を見て、我々もあの餌に何か問題があったということは確信していますので、引き続き調査します。おそらく原材料に何か問題があったのではないかと思いますが、はっきりしたことはまだわかっていません。」


結局いまだに原因はわからないままですが、それなりに(フィリピンにしては)真摯に対応してくれたこと、また「今後も何か問題があったらすぐに連絡をください。すぐに駆けつけて、必要とあらばすぐに餌を交換しますので」とも言ってくれたので、納得することにしました。



モー娘たちが餌を食べなかった間、当然乳量も減ってしまい、うちは大打撃でした。

もう二度とこんなことは起きて欲しくないと願っていますが、同じ品質のものを作り続けるということが、いかにこの国では難しいかということを思い知らされた出来事でした。