またまた運転手

タイトル通り、またまた運転手の話です。 いや〜、彼も話題が尽きません(笑)
少々偏屈だけれど、何だかんだ言いながらも最初からずっと働いてくれているので、最近はなかなか憎めず、段々かわいいとすら思えるようになってきました。 悟空妻、ある意味悟りを開いたかもしれません(爆)


さて本題に戻ります。
この運転手、去年まではめったに遅刻や急に休んだりなどしなかったのですが、今年にはいってから遅刻が目立つようになってきました。何回か注意して、警告書(「改めないとクビにしますよ」という警告書。3枚受け取ったらクビになる)も渡したのですが、そのときは直ってもまたすぐ遅刻を繰り返す、という状態が続きました。
何だかんだいいながらも遅刻したりせずにちゃんと来て、仕事はしっかりやるから雇っていたのに・・・これじゃ別の運転手を探した方がよっぽどマシです。


そんなことを考えていたある日、例のごとくこの運転手がまたも借金の申し込みをしてきました。
今までは「〜ペソ貸してください」と言われれば、よっぽど金額が大きくない限り貸してあげていました。
しかし最近は遅刻も多く、他の運転手を探そうかくらいのことを考えていた矢先の出来事。とても全額貸してやろうという気になりませんでした。

悟空妻 「悪いけど、今回はお金貸してあげる気にならないわ。なぜだかわかる?」

運転手 「いえ」

悟空妻 「(「いえ」ってかぃっっ?!!と思いつつ)あなた最近遅刻多いでしょう?去年までそんなことなかったのに、一体最近はどうしちゃったの?」

運転手 「寒いんで・・・あとはここに来る途中の道が工事中なんで、時間が読めないんです。」

悟空妻 「寒いからって・・・そんな理由で遅れてきていいわけないでしょう? それに道路工事は前回もそう言ってたんだから、ずっとやっているわけでしょう?それならそれを見越して、少し早めに家を出てくればいい話でしょ?」

運転手 「はい」

悟空妻 「私は今まで、あなたが借金の申し込みをしてきたときにいつもお金を貸してあげて、あなたを助けてきたよね?それはあなたがいつもきちんと時間通りに来て、毎回事故もなく運転して、仕事をきちんとやってくれていたからだよ。私はあなたが働いた分のお給料は払っているんだから、私の義務は果たしているわけで、お金を貸すのは私の義務でも何でもないでしょ?言ってしまえば、私の好意で貸していたんだよ。それはあなたが自分の仕事をきちんとやってくれていたからこそで、そうしていればこそ、私だってあなたが困っているなら助けてあげたいと思ったわけよ。でも今の状態はどう?遅刻ばっかりして、きちんとやっていないじゃない。そんな状態なら、困っていたって助けてあげようって気にならないよ。」

運転手 「・・・(無言で頷く)これからきちんと改めるようにします」

悟空妻 「そう言いながら、また遅刻したら?」

運転手 「・・・・。そのときには、自分をクビにしていいです(うっすら涙ぐみながら)」

悟空妻 「(クビにされることより、改めることをもっと真剣に考えろよ!と思いつつ)じゃあ今回は、あなたの希望する額の半分だけ貸してあげる。で、まずは遅刻を改めなさい。残りの半分はあなたの勤務態度を見て、貸すかどうか決めるわ。」

運転手 「・・・わかりました」

悟空妻 「私達はギブアンドテイクでしょ? あなたがきちんと仕事をしてくれれば、私だってあなたが困ったときにはきちんと助けてあげるんだから。それを頭に入れて、仕事をしてね。」

運転手 「はい」



自分より一回りも年上の男に、こんな風に説教している自分がちょっと情けなくなりました。一体、何をしにフィリピンまでやってきているんだろう?
でも人件費に対して、物価は非常に高いと感じるフィリピン。(日本並みの給料をもらっていれば別ですが、こちらの給料でまともな生活をしていくことはかなり厳しい)従業員が借金や給料の前借りを申し込んでくるのは、ある程度仕方のないことなのかなとも思います。 ここは飴と鞭を使い分けながらやっていくしかないのでしょう。